栗原歴史民俗資料館

栗原歴史民俗資料館開設のいきさつ


 栗原歴史民俗資料館は,生産・生活様式の変化に伴い,だんだんと少なくなりつつある江戸,明治,大正,昭和と栗原地区の人々の生活を支えてきた歴史民俗史料・民具などに光を当てて,現在,栗原に生きている私達や子ども達が,その民俗史料・民具を通して,栗原に生きてこられた人々の生活の歴史や伝統・知恵を知り,学ぶために,また,小学校1年~6年の特に社会科教材資料としても是非必要ということから,空き教室の効果的な活用と相まって,昭和62年(1987年)10月に設立されました。

 特別委員会を組織し,学校・育友会・地域をあげてこの収集活動に努め「地域を教材化する」という視点で,1号館,2号館,3号館,廊下と収集した民俗史料・民具を一定に分類整理し,展示作業をすすめてきました。


1号館(い草・畳表)

い草栽培から畳表づくりまで


 50年ほど前まではこの栗原町でい草の田んぼがまるで海のようにどこまでも広がっていました。い草づくりに適したこの地方で作ら れる畳表は,「備後表」と呼ばれ,上質な物として多くの文化財や邸宅に利用されてきました。

 これほど上質な物を作り上げることが出来たのは,い草の栽培に適した気候と土質と農家の努力があったからといえるのです。


畳表用機織(はたおり)機

すき

ひめ樋(とい)


ひめうみ機

あらそませ・おいこ

糸車


こて

もっこざる

肥たご・肥杓


2号館(生活用品)

生活用具・衣・食・住~遊戯・娯楽・祭祀等


 昔の人々は,「衣・食・住」に必要なさまざまな生活用具を開発し,利用していました。どの用具も,人々のくらしを豊かにするものでした。

 現在では,昔使われていたものとまったく同じものは使われていません。しかし,使用する目的の同じものがたくさんあります。つまり,昔使われた用具があったからこそ,今の便利な道具があるといえるのです。


古銭

飯詰・そおけ

トランク

出前箱・水筒・はんごう等

扇風機

和だんす

田面船

蓄音機

羽織・袴・式服


3号館(農家・農耕具

昔の農家と道具


 昔の農家の屋根は,麦わらをふいていました。夏は涼しく冬は暖かくてとても快適です。そして,15年以上経過すると屋根の麦わらが腐って雨漏りしてしまうので,屋根をふきかえる必要がありました。この地方でも多くの農家で麦わらをふいた屋根が見られました。しかし,現在,この地方では,麦を栽培しなくなったために,屋根の材料が手に入りにくくなり,このようなつくりの家は姿を消してしまいました。


米千歯

押し切り・つるべ

足ふみ脱穀機

草とり機

機織(はたおり)

水桶

囲炉裏

旧神殿屋根瓦

麦播器